フローリングのワックス剥がしにスチームクリーナーは危険!正しい剥がし方を解説

フロアの美しさを引き出すことにフォーカスし、豊富な技術革新と知識を持つフローリングメンテナンス業界の第一人者。

スウェーデンBona社の日本代理店 株式会社オカベです。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経て、おうちでの時間を大切にされる方が増えています。

おうち時間を快適に過ごすために、「フローリングをキレイにするために、ワックスを一度剥がして、塗り直そう」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。


ワックスを剥がすことを「ワックスはく離作業」と呼びます。

塗り重ねて厚くなった古いワックスを一度すべて取り除くことで、ムラの原因となるワックスの厚みの差をなくすことができます。
また、ワックスとワックスの間に挟み込まれてしまった汚れもキレイになります。

そういった、普段のお掃除では解決できないところをリセットできるのが「ワックスはく離作業」です。

今あるワックスを取り除く作業だったら「スチームクリーナー」が使えるのでは?
もしそう思われた方がいらっしゃったら、ちょっと待ってください。

「スチームクリーナーなら、高温のスチームで簡単にワックスが落とせそう」「洗剤を使わないから安全!」と思われるかもしれませんが、思わぬトラブルにつながる恐れがあります。

今回は、「ワックスはく離作業」にスチームクリーナーが使えない理由。

そして、正しい「ワックスはく離」の方法についてお話します。

スチームクリーナーで古いワックスは剥がせる?


結論から言うと、スチームクリーナーで古いワックスははく離できません。
効率的にワックスをはく離できそうですが、実はまったく効果がありません。

市販のワックスのほとんどは合成樹脂でできています。
樹脂でフローリング表面を覆い、汚れが入り込むのを防いでいます。

樹脂系ワックスを落とすためには、樹脂どうしを結合させる「架橋」を壊す必要があります。
固まった樹脂の結びつきを壊し、バラバラにして取り除くのです。

そのために使われるのが「はく離剤」です。
はく離剤には、「架橋を壊す成分」と「樹脂を劣化させる強アルカリ成分」が含まれています。

スチームクリーナーは高温で汚れを落とすものですので、架橋を壊したり、樹脂を劣化させるということはできません。
つまり、スチームクリーナーでは樹脂系ワックスを分解することができないのです。

それだけではありません。
フローリングの材質によっては、スチームクリーナーを使うと変色してしまうことがあります。

また、スチームクリーナーの高温の蒸気が、フローリングを変形させてしまうこともあります。

スチームクリーナーを使ってキレイにするつもりが、変色や変形といった、取り返しのつかない結果をもたらすことがあるのです。

古いワックスのはく離には専用の洗剤を

フローリングのワックスはく離作業には、フローリング専用のはく離剤を使う。
これが鉄則です。

しかし、市販のはく離剤なら何を使っても良いわけではありません。
市販のはく離剤は成分がやさしいものから強いものまでさまざまです。

一方で、

では、どのようなものを選ぶのがいいのでしょうか?
私たちがベストと考えるのは、中性もしくは中性に近いフローリング専用のはく離剤です。


はく離剤を選ぶ場合は、パッケージの裏面に書かれたpH(水素イオン濃度)や液性を確認してください。

pHは1~14まであり、ph6~8が中性です。8~11が弱アルカリ性、11より大きいとアルカリ性に分類されます。
強力なアルカリ成分(pH12以上)が入っている場合、水で100倍に薄めてもpHが十分に下がらないことがあります。

強力なアルカリを含むはく離剤は、フローリングに大きなダメージを与える可能性があります。
つまり、強すぎるはく離剤も、スチームクリーナー同様、フローリングを一気に劣化させるリスクがあるのです。

「強力なほうが作業が早く終わるのでは」と考えて、結果フローリングが台無しに。となっては、後悔しきれません。

中性もしくは中性に近いはく離剤。しかもフローリング専用のものを選んでいただくのが、リスクを回避する重要なポイントです。

ワックスはく離作業の手順

ワックスはく離作業の正しい手順は、以下の通りです。

  1. はく離剤をフローリングに塗布し、ワックスを剥がす
  2. タオル等で拭き上げる
  3. クリーナーを使って拭き上げる
  4. 新しいワックスを塗布する


まずは、はく離剤をフローリングに塗っていきます。
均一に、塗り広げていくのがポイントです。

フローリングにはく離剤を塗り広げたら、しばらく放置します。
放置することで、古いワックスがはがれてくるのを待ちます。

放置する時間は短すぎても長すぎてもいけません。
短すぎるとワックスがキレイにはがれてくれません。長すぎると、フローリングを傷めるリスクが高くなります。

はく離剤の注意書きをよく読み、放置時間を守ってください。

次に、はがれたワックスをスポンジ等でこすり落とし、タオルなどで拭き取ります。

その後、水で硬く絞った雑巾などを使い、はがれたワックスや残ったはく離剤をキレイに取り除きましょう。

もしワックスが完全に取り切れていなかったら。
はく離剤を塗って放置→拭き上げるという工程を繰り返します。

ワックスのはく離が完了したら、クリーナーを使って拭き上げます。
水拭きで取り切れなかったはく離剤の残留成分や、床についた汚れをキレイにして、新しいワックスの塗布作業に備えます。

床が完全に乾いたら、いよいよ最後の作業、ワックスの塗布作業です。
ワックスを塗布する際も、ワックスの注意書きをよく読んでください。

ワックスはく離作業の注意点

使うはく離剤やワックスの注意書きをよく読んで、書かれている内容をしっかり守る。
それ以外にも、作業の際は、下記の点に注意してください。

使う水分量は最小限に!

古いワックスが分厚い層になっている場合は、はく離剤も水もたくさん使うことになります。
しかし、大量の水分は、フローリングが変形するリスクを高めます。

フローリングは、木から作られた水に弱い天然素材です。
普段の掃除にも言えることですが、使うはく離剤や水の量は必要最小限にしてください。


分厚いワックス層は一度にはく離しようとしない。少しずつ、何回か繰り返してはく離をする。
そしてその都度、はく離剤の量も水の量も最小限にする。
これが大切です。

細かく区切って作業しよう!

面倒でも、畳一枚分など範囲を区切って作業をしましょう。


部屋全体に一度にはく離剤を塗布してしまうとどうなるでしょうか?
はく離剤を塗布して、最初にはく離剤を塗布した場所に戻ってくるころには、放置時間をとっくに過ぎていたことになりかねません。

水分が長時間フローリングに滞留することは、フローリングにとって良くないこと。
最悪の場合、フローリングの変色や変形といった劣化の原因になってしまうのです。

部屋全体のワックスを剥がしていて、ふと見渡したら最初に剥がした部分が劣化していた…
というのは現実に起こりうることです。

後悔しないためにも、小さなスペースに区切って、少しずつ作業を進めていきましょう。

ワックスはく離作業におすすめのBona製品

Bonaの製品群には、ワックスはく離作業にもってこいの製品がそろっています。


はく離剤には、弱アルカリ性のBonaポリッシュリムーバーがおすすめです。

使い方も簡単。水で5倍に薄めたBonaポリッシュリムーバーを床に直接垂らします。垂らしたリムーバーを、スクラブパッドを取り付けたモップなどで、床に塗り広げます。
5~10分ほど待って、スクラブパッドなどで、床をゴシゴシと擦ってください。

ワックスがはがれたら、水で絞ったBonaクリーニングパッドを取り付けたモップでしっかりと拭き取ります。


ワックスを剥がした後の掃除には、Bonaプレミアムスプレーモップがおすすめです。

手元のハンドルでクリーナーをシュッとスプレーし、後は拭き上げるだけ。
リムーバーの残留成分も、床についた汚れもキレイに取り除きます。

フローリングが乾燥したら、Bonaクリーニングパッドを使ってBonaポリッシュを塗っていきます。
木目に沿ってモップを動かし、塗り目を整えましょう。

ポリッシュを塗り終えたら、ポリッシュが乾くまで1時間ほど待ちます。
ポリッシュが完全に乾いたら作業は完了です!

まとめ

ガンコな汚れを落とすのに役立つスチームクリーナー。
しかし、ワックスはく離作業には不向きだということが分かっていただけたでしょうか?

ワックスはく離作業は、簡単そうにみえて、リスクの高い作業でもあります。

スチームクリーナーを使わないということだけでなく、フローリングにやさしい製品を使い、正しい方法で作業をすることが大切です。

Bonaのリムーバーやワックス、クリーナーはフローリングのことを第一に考えて作られています。
また、フローリングだけでなく、人にも環境にもやさしい製品です。

モップに取り付けるパッドは500回以上洗濯機で洗って使えます。
経済的かつ衛生的なところも、魅力の一つです。


普段のお掃除だけでなく、ワックスのはく離作業にも、Bona製品を取り入れてみませんか?

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