フロアの美しさを引き出すことにフォーカスし、豊富な技術革新と知識を持つフローリングメンテナンス業界の第一人者。
スウェーデンBona社の日本代理店 株式会社オカベです。
フローリングをキレイに保つためには、定期的にワックスを塗る方はまだまだいらっしゃるかと思います。
しかし、フローリングのワックスがけは簡単ではありません。
「自己流でやって失敗した……」という人が結構いらっしゃいます。
ワックスがけで失敗する…
それは、フローリングの掃除方法や古いワックスの剥離方法が間違っているからかもしれません。
今回は、フローリングのワックスがけの失敗と正しい手順を詳しくご紹介していきます。
フローリングのワックスがけで失敗してしまう人が多いのはなぜか
ワックス掛けで最も多いのは、「フローリングが汚れたままになってしまう」という失敗です。
「ワックスを塗った後に白い粉が付着している」といったものもあります。
では、どうして、このような失敗が起こるのでしょうか?
その原因には、下記のようなものが考えられます。
- フローリングの汚れを落とさずにワックスを塗っている
- フローリングの掃除後、表面を乾かさずにワックスを塗っている
- ワックスの量を間違っている
それでは、これらの原因がどのような失敗につながるのかをひとつずつ見ていきましょう。
フローリングの汚れを落とさずにワックスを塗る
ワックスを塗る前のフローリングの掃除が不十分だと、古いワックスと新しいワックスの間に汚れを閉じ込めてしまいます。
閉じ込められた汚れは、普段の掃除で簡単には取り除けません。
その結果、ワックスを塗ったのにフローリングが汚れているという失敗になるのです。
フローリングを乾かさずにワックスを塗る
ワックスを塗った後に、フローリング表面に白い粉がつくことがあります。
この現象を「パウダリング現象」と呼びますが、これは、フローリングに水分が汚れが残ったままワックスを塗ったときに発生しやすい現象です。
「パウダリング現象」は、うまくワックスの塗膜が形成されていないことが原因で発生する現象です。
つまりパウダリング現象=ワックスがけが失敗した証拠なのです。
ワックスの量が間違っている
「量が多いほうがフローリングをきちんと保護できそう」と思うかもしれません。
しかし、厚塗りは塗りムラの原因になることがあります。
また、ワックスをケチって、少なく塗ってしまうと、保護膜がきちんと形成されません。
薄い保護膜は保護力も弱く、気がついたらフローリング本体にダメージが…となってしまう場合もあります。
こうなるとワックス掛けに失敗、ではすまなくなってしまいます。
失敗しないためのワックスがけとお掃除方法
では、ワックスがけで失敗しないためには、どうすればいいのでしょうか?
答えは、「正しい道具と正しい手順でワックスを塗る」です。
では、順番に詳しく解説していきます。
ワックスがけに必要な道具
- 乾拭き用の掃除用具
- フローリング用のクリーナー
- ワックス
- ワックスを塗るモップ
- マスキングテープ
ワックスをかける前には必ず念入りな掃除が必要です。
そのため、普段使っている掃除道具がワックス掛けの前に必要になります。
また、マスキングテープは、余計な部分にワックスを防ぐために使います。
巾木などに貼ってから作業をすると、多少ワックスが飛び散っても、簡単に取り除くことができます。
ワックスがけの手順
- 動かせる家具などを移動する。ワックスがついてはいけない場所にマスキングテープをはる
- 乾拭き用のフローリングモップや掃除機で、フローリングの上のゴミやホコリを取り除く
- フローリング用のクリーナーを使ってキレイに拭き上げる
- フローリングの表面をしっかりと乾かす
- 木目にそってワックスを塗る
- フローリングを乾燥させる
- 家具などを元に戻す
特に大切なのは、2.と3.です。
「ワックス前の丁寧な掃除」は、案外見落とされがちで、なおざりにされている方が多い作業です。
上述の、よくある失敗は、このワックス前の掃除が不十分なことが原因で起こります。
つまり、「汚れの挟み込み」や「パウダリング現象」を防ぐためにも、ワックスがけ前の念入りな掃除と十分な乾燥が重要なのです。
実際にワックスを塗る際のポイント
いよいよワックスを塗っていきます。
ここでの注意点は、さほど多くありません。
- ワックスのパッケージに書かれている注意事項を守る
- 木目にそってワックスを塗る
- 部屋の奥から入り口に向かって作業を進める
この中で一番大切なのは、「ワックスのパッケージに書かれている注意事項を守る」ことです。
ワックスの量は多くても、少なくてもいけません。
つまり、「規定量を守る」ことがとても大切なのです。
規定量を守ることで、キレイで、しっかりと保護されたフローリングが完成します。
乾燥時間もきちんと守りましょう。
表面が乾いたように見えても、まだワックスの塗膜がきちんと生成されていない場合があります。
しっかりと乾燥させることで、強い保護膜になるのです。
また、モップを何度も往復させると、塗りムラができてしまうことがあります。
少ない回数で仕上げることがポイントです。
ワックスを塗る順番は、部屋の奥からが鉄則です。
部屋の奥から入口へと塗り進めることで、塗って間もない、乾いていないワックスの上を歩かなくてもよくなります。
せっかく塗ったワックスの上に足あとを残さないためにも、「部屋の奥から入口へ」作業を進めてください。
ワックスのはく離作業の手順
何度もワックスを塗り重ねていくと、ワックス層はどんどん厚くなっていきます。
また、注意深くワックスを塗っていても、汚れの挟み込みを完全に防ぐことはできません。
小さな汚れが積もり積もって、黒ずみ汚れになってしまう場合もあります。
そうなったら、「ワックスはく離作業」の出番です。
だいたい3~5回ワックスを塗り重ねたら、ワックスはく離作業をするというのが目安になります。
ワックスはく離作業に必要な道具は、
- ワックスはく離剤
- ワックスはく離用のヘラやスポンジ
ワックスはく離後は新たにワックスを塗布することになります。
そのため、掃除道具やワックス塗布に使用する道具も必要になります。
ワックスはく離作業の手順は、以下の通りです。
- はく離剤を均一に塗り広げる
- 規定時間、放置する
- スポンジなどを使ってワックスをこすり落とす
- 硬く絞った雑巾などではく離剤を拭き取る
- クリーナーを使ってフローリングをキレイに拭き上げる
- ワックスを塗布する
このワックスはく離作業。実は失敗しやすい作業です。
詳しくはこちらの記事に書いていますので、参考にしてください。
Bona製品を使用した失敗しないワックス仕上げ
Bona製品を使えば、ワックスがけに失敗するリスクを減らすことができます。
乾拭きにおすすめの商品
乾拭きには「Bonaモップ」に乾拭き専用の「Bonaダスティングパッド」を取り付けてモップをかけるだけ。
Bonaダスティングパッドは乾拭き専用のモップヘッドで、高性能なマイクロファイバーでできているため細かいゴミやホコリ、そして、アレルゲンまでしっかりキャッチします。
クリーナー拭きにおすすめの商品
クリーナー拭きには、「Bonaフロアクリーナー」と「Bonaクリーニングパッド」の組み合わせがおすすめです。
Bonaフロアクリーナーをフローリングに直接スプレー。清潔なBonaクリーニングパッドで拭き上げてください。
Bonaフロアクリーナーは生物分解性の安心・安全なクリーナーで、洗剤成分が床に残らないため2度拭きの手間がかかりません。
Bonaクリーニングパッドは、2種類のマイクロファイバーでできていて、汚れをしっかりと分解し、取り除きます。
汚れがひどいときは、洗浄力の強い「Bonaディープクリーナー」を使うとより効果的です。
酸素の力で頑固な汚れをキレイに取り除きます。
ワックス掛け・ワックスはく離作業におすすめの商品
ワックスは、ぜひ「Bonaポリッシュ」をお試しください。
Bonaポリッシュにはつや消しタイプの「マット」、つやありタイプの「グロス」があります。
ご自宅のフローリングのツヤに近いものを選ぶと間違いがありませんが、お好みで異なるツヤのものをえらんでいただくこともできます。
Bonaポリッシュの塗り方は簡単です。
フローリングに直接垂らしたら、Bonaクリーニングパッドで塗り広げるだけ。
木目にそってモップを前後に動かせば、簡単に均一に塗り広げることができます。
(拭き上げ掃除に使ったクリーニングパッドと別のものをお使いください)
部屋全体に塗り終わったら、1時間ほど待って、完全に乾いたらワックス掛けは完了です。
表面の細かい傷を埋めて保護層を形成するので、フローリングの表面が均一に仕上がります。
ワックスはく離作業には、「Bonaポリッシュリムーバー」がおすすめです。
Bonaポリッシュリムーバーをフローリングに垂らしたら、「Bonaスクラブパッド」を取り付けたBonaモップで塗り広げます。
5~10分待ったら、Bonaスクラブパッドでゴシゴシ洗って古いワックスを落としてください。
Bonaポリッシュリムーバーは弱アルカリ性のはく離剤です。
はく離作業でフローリングを傷めるリスクを低減させます。
正しい掃除方法を身につけてキレイなフローリングを保ちましょう
フローリングをキレイに保つためには、日常的に掃除することが重要です。
理想的なのは「毎日の乾拭きと週に1回のクリーナー」です。
これだけで、フローリングはキレイに保てます。
ワックスを塗る場合は、そのメリット・デメリットを理解することが大切です。
正しい知識と正しい道具。そして正しい手順。
それが、フローリングをキレイに保ち、長く楽しむための最大の秘訣なのです。